わたしは田中美優、27歳。
幼少期から鈍臭いし、運動神経も悪い。
この歳まで社会に出たことがなく、今、人生で初めての労働をしている。
頑張れば頑張るほど空回りし、何度も何度も同じ失敗をし、周りの人に迷惑を掛けている。
先輩方は全員優しくて、鈍臭いわたしをいつも助けてくれて励ましてくれる。
面接をして採用してくれた店長は、他のお店も受け持っているようで、いつもこのお店にいるわけではないけれど、失敗するわたしをいつも優しく励まし応援してくれてる。
けれど、、、昨日は違った。
わたしが鈍臭すぎて、ほとほと呆れられてしまったようだ。
その上、制服をマニュアル通りに着ていなかったため、叱られてしまった。。。
何から何までダメな自分。。。
だって。。。
わたしは叱られて濡れるドM。
実際SMプレイのようなことはしたことないけど。。。
初めて興奮したのは、小学生のときに観たドラマで、女性が後ろ手に縛られて監禁されているシーン。
お股がくすぐったくなって、キュンキュンした。
他のドラマでも、女性が誘拐されたりして縛られると、テレビに釘付けになった。
また、乱暴なことをされているシーンを観ると余計興奮した。
世間で言う酷いシーン、、、DVされている女性、レイプされている女性を観ると、下着がグッショリ濡れていた。
それらを観る度に興奮し、自分もいつかされてみたいと妄想するようになっていた。
特に、男性が女性を怒ったり殴る時の鋭い眼差し、ドSの表情にウットリしてしまう。
暴力を振るう男性はもちろん許せないけど、あの目で見つめられてみたいという願望が芽生えた。
高校生になると初めての彼氏が出来た。
彼の性格は穏やかで優しく頼もしい。
鈍臭いわたしが危険なことをすると、しっかり叱ってくれた。
真面目に叱ってくれている彼に対しては不謹慎なんだけど、叱られると濡れてしまう。。。
セックスするときにも、ちょっとだけ意地悪で強引になるのも大好きな理由だった。
ソフトSな感じ。
彼の全てにとても満足していた。
お互いがお互いを好きすぎて、大学卒業後すぐに籍を入れた。
高校生の頃から、お互い家族ぐるみで仲良くしていたため、みんなに祝福してもらえた。
わたしが大学で学んだ幼児教育の知識は、これから誕生する子供のために使うから決して無駄にしないと、両親に感謝の想いを伝えた。
だけど、、、何年経っても妊娠することはなかった。
妊娠するために良いとされるものはたくさん試している。
夫婦仲は相変わらず良いから、週に3日以上は必ずセックスしている。
今でも夫の全てに満足している。
毎日がとても幸せ。
幸せは幸せなんだけど、、、
日に日にソフトSのセックスに、ちょっとだけ物足りなさを感じるようになっている。。。
朝、夫が仕事に出掛けるとすぐに、スマホでHな動画やマンガを探す。
内容は、日に日に過激なモノになっていく。
毎日毎日それを見てはひとりHをして脱力。。。
重い身体を無理矢理起こし、何食わぬ顔をして家事をし、夫の帰りを待つ日々。
それも最近は、ひとりHにかける時間も回数も増えていっている。
夢中になって自分を刺激し、果てる。
性欲が落ち着くと毎回罪悪感が込み上げてくる。
夫が働いてくれている時間に快楽を貪っている自分、夫がくれる快楽だけでは物足りないと思っていること、誰にも言えない持て余した性癖と性欲、、、様々な要因から来る罪悪感。
わたしこのままじゃ駄目になる!このままの生活をしてたらもっと変態で取り返しの付かない性癖になる!と危機感を感じ、生活を一新しようと考えた。
考えた結果、ものすごく不安だけど、人並に社会に出てみようと決心した。
それが車で20分のチェーン店の喫茶レストラン。
夫も、子供を授かれずに毎日家に引き籠もるわたしを心配して、家のことは気にしなくていいから社会勉強して来てごらんと背中を押してくれた。
失敗の連続で落ち込んで帰宅するわたしを、初めてだから仕方ないよと慰めてくれた。
しかし、1ヶ月経過しても一向に仕事に慣れないわたしを、夫もなんて励ましたらいいのか分からない様子だった。
そんなときに店長が基礎から学び直そうと提案してくれたのは、最後のチャンスだと思った。
夫も、そんなに目を掛けてもらえる優しい職場はなかなかないよ、大切にしてお言葉に甘えなさいと賛成してくれた。
その初日、わたしは度重なる失態を冒した。
その中でも一番大きな失態は、仕事どうこうではない、店長の前で発情してしまったのだ。
ずっと妄想して憧れていたスパンキング。
動画で叩かれている女性を観ては、心底羨ましかった。
夢のような罰を店長から受けて、規則違反をしたことを忘れて夢中で喘いでしまった。
仕事中だというのに、これまで優しく微笑んでくれた店長の目が鋭いドSの目に変わったときに、ドキドキが止まらなくなった。
怒っているような低い声で叱られ、ゾクゾクしてしまった。
店長の発する言葉が、全て言葉責めに聞こえて、声だけでイキそうになってしまった。
感じてしまっていることを必死に隠していたつもりだが、下着から滴り落ちる程に濡らしてしまい、店長にバレてしまった。
店長は呆れ返り、太くて大きい指で口内を掻き回され、挙句の果てにはビンタされてしまった。
相当店長を怒らせてしまったようだ。
それなのに、わたしの身体は熱かった。
何度も妄想したあらゆる行為をしてもらい、わたしは興奮したまま帰り、すぐにお風呂に入ってひとりHをした。
店長の一挙手一投足を思い出し、すぐにイッた。
一度では治まらず、お風呂場で3度、夫が寝ている横で2度、翌日アルバイトに出掛けるまでに3度した。
出勤して店長に会ったら、それらを悟られてしまうんじゃないかとソワソワした。
「店長、昨日は申し訳ございませんでした。本日もよろしくお願いします。」
恥ずかしくて、頭を深く下げて顔を隠した。
店長はいつも通りの優しい声で、
「お疲れ様ー!今日も一緒に頑張ろう!」
と返してくれた。
いつも通りの優しさに胸を撫で下ろした。
そういえば、いつの間にか制服のボタンが取れてしまったようで、2番目のボタンがない。
裁縫道具もないし、代わりのボタンもない。
勝手に安全ピンをつけていたことで、昨日怒られたばかりだし。
どうしよう。。。と悩んだ末、裏側からガムテープを貼ることにした。
色的にもバレないかなと思い、首元にリボンをして店内に出た。
先輩方に挨拶をしてまわり、雑用をこなす。
届いていた備品を各所に片付ける。
ひとつひとつ落ち着いて丁寧にを心掛ける。
食器を扱うときには更に要注意。
まだお店はラストオーダーの時間になったばかり。
掃除も限られた場所しか出来ないが、1秒でも早く店長の指導を受けられるよう進める。
「田中さん!?」
「はいっ!!」
夢中になりすぎてまた周りが見えなくなっていたことに気が付く。
「ここはまだお客様通るから掃除はしないで。」
今日も店長に注意されてしまった。
「すみませんっ!」
店長の視線が胸元にある。
安全ピンはしていないけどなと思いながら自分の胸元を見ると、裏側から貼っていたはずのガムテープが外れてなくなっていた。
「あれ?すみません!ガムテープを裏側から貼っていたんですけど…。」
「もう閉店だからそのままでいいよ。」
店長は素っ気なく言い放ち、業務に戻ってしまう。
動いてたら剥がれちゃったのかなぁ?ガムテープじゃダメだったかぁ。
あまり気にせず、別な場所の掃除に向かう。
やがて他のスタッフからの、
「最後のお客様がお帰りになりましたぁ!」
の掛け声で、全員が一気に閉店作業に取り掛かる。
わたしはその掛け声を合図に店長の元へ駆け寄る。
「お願いします!」
店長は一番奥の席に、テーブルいっぱいに食器を並べて準備してくれていた。
「複数枚を同時に持つ練習をしようか。」
「わかりました!」
「その前に、食器は備品として購入しているということを理解して欲しい。会社から無料で支給されているわけではない。」
「はい。」
「田中さんが何枚か割ってしまったことで、お客様に出す食器が減ってしまった。」
「すみません。」
「大切に扱って欲しい。」
「はい。」
様々な大きさや形があるため、重ねられる食器、重ねては危険な食器を教えてもらう。
これは入社当初に教えてもらったから理解している。
理解しているけど、混雑時にお客様が待っているのを見ると、全てを重ねて持っていこうとしてしまう。
それが原因で食器を落とす。
店長の前で、自分が理解していることを見せるため、重ねられる食器を全て重ねる。
トレーに乗せられるだけの食器を乗せ、運ぼうと持ち上げた瞬間、、、
盛大に床に落としてしまう。
ものすごく大きな音がし、他のスタッフの手も止まる。
シーンとした店内でわたしの焦る声が響く。
「すみませんっ!!!ごめんなさいっ!!」
慌ててしゃがみ込もうとするわたしの腕を掴み、店長は落ち着いた声で言う。
「危ないから素手で触るな。」
「はっはいっ!箒とちりとり持ってきます!」
「待って。落ち着いて。」
店長の声が低く苛立っているように聞こえる。
「何で自分が持てない量が分からない?」
「何枚も何枚も重ねて、トレーに乗せられるだけ乗せて、自分が持てる量を超えてたの分からなかった?」
「すみません…たくさん乗せて一回で持っていけば早いと思って……。」
「それでこの結果じゃ余計な仕事増えただけだろ?」
店内の空気がピーンと張り詰める。
他のスタッフも、なるべく音を立てないように作業しているのがわかる。
「さっき言ったよね?お金払って食器買ってること。」
「何枚無駄にした?いくら分かわかる?」
下を向いて、散らばっている破片を見る。
「…本当に…すみません…。弁償します…。」
「弁償とかの問題じゃない。」
「…………。」
すみません以外に返す言葉がない。
「「お先に失礼しまーす!!」」
他のスタッフが声を揃えてこちらに叫ぶ。
今日も気不味い雰囲気を察して、足早に帰っていくのを感じる。
みんながいなくなるのを察して店長が低い声で言う。
「今日も罰を受けてもらわないと。」
わたしは身体をビクっと反応させ、一気に濡らす。
「わかりました。」
罰の前に割れた食器を片付ける。
店長は後ろで仁王立ちして見下ろしている。
ずっと監視されているような気がする。
量が多かったため、時間が掛かってしまった。
「終わりました。」
仁王立ちする店長に報告する。
「言うことあるよね?」
「すみませんでした。」
「違う。これからすること、俺の目を見て丁寧にお願いして。」
「………罰を…罰を受けさせてください……。」
身体を震わせやっとの思いで言葉にした。
「罰って具体的に?」
「………わたしのお尻を…叩いてください………。」
「叩かれたら反省出来るの?」
「叩かれたら……反省…できます………。」
「後ろを向け。」
「はい。」
パーーンッ!!
「叩かれないと反省しないのか!」
パーーンッ!!
「ちがっ…います……ぁっ……。」
パーーンッ!!
「反省し…ています……あああぁっ………。」
喘ぎ声を出したくないのに、他の言葉を喋ると一緒に出てきてしまう。
唇を噛んで声を出さないように耐える。
「反省しているようには見えない!」
パーーンッ!!
「何度同じミスをするんだ!」
パーーンッ!!
「謝罪の言葉を言え!謝れ!」
パーーンッ!!
「あああぁっごめんなさいっ!!!」
パーーンッ!!
「言われなくてもずっと謝ってろよ!」
パーーンッ!!
「あああぁっあああぁっごめんなさいっ!!」
パーーンッ!!
「ごめんなさあああぁっい!!」
パーーンッ!!
「っあああぁっめんっ…なっ………」
身体をビクンビクン跳ねさせ絶頂してしまう。
「っぅぅっ…ごっ…め…さいっ………」
しゃがみ込んでビクビクしていると、店長に髪を掴まれ顔を上げさせられる。
「お前さ、罰受けてる間アンアン言ってるよな?昨日も今日も。」
「そんで今の何?身体ビックンビックンさせて。何?」
「……………。」
何も答えられず、店長のドSな眼差しにトロンとした顔で見つめる。
「そのだらしない顔も何?俺とお前、今セックスしてんのか?」
首を横に振る。
「欲情した顔してんじゃねーか。鏡見てみろっ!」
髪を掴んで立ち上がらせ、お手洗いに連れて行かれる。
男性用のお手洗いに入り、洗面所の前に突き出される。
「ほら見てみろよ。この顔なんだ?仕事中にする顔か?」
初めて欲情した自分の顔を見る。
それはとてもいやらしい、マンガに出てくるようなセックスの最中にするトロンとした表情。
「これが上司に向ける顔なのか?」
髪を掴まれ、顎を掴まれ、鏡から目を背けることを赦されない。
「ちっちがいますっ…。」
「何が違う?」
「この顔は、仕事中や、店長に向ける顔ではありません。」
「じゃあ何の顔だよ?」
「これは………」
「これは?」
「………エッチな顔です………」
「は?何それ?仕事中に?」
「はい。仕事中なのに、わたしはエッチな顔をしています。ごめんなさい。」
「だからおっぱい見せてんの?」
身体を横に向かされる。
ボタンがない隙間から見えてはいけない、こんもりした乳房が露出している。
「やっ!」
慌てて両手で隠そうとすると、後ろから捕まれて背中で束ねられる。
胸が張った状態になるので先程より隙間が広がって丸見えになる。
「これはっ!気付きませんでしたっ!すみませんっ!」
「こんなに見えるのに?わざとでしょ?」
「違いますっ!ガムテープで止めたけどなくなっちゃって!」
「あぁこれ?」
店長は、ブラウスの上から、中で丸まっているであろうガムテープを掴んだ。
「こんなの取れちゃうに決まってんじゃん。」
ブラウスの裾をスカートから引き出し、中で丸まっているガムテープを取る。
それを器用に真っ直ぐに伸ばして、後ろに束ねているわたしの両手に巻き付ける。
鏡の中にいるわたしは、後ろ手に拘束され、胸を突き出させられている夢にまで見た光景。
その光景に、わたしはこれまでの人生で感じたことのない興奮を覚えた。
これまで憧れていた姿が突然現実のものとなり、興奮しすぎて目眩すらする。
「罰、さっきのだけじゃ足りないな。」
「これ。ここ。男性客でも誘ってんの?それとも俺のこと?」
首を横にブンブン振る。
「だって丸見えじゃん。いやらしいドM女のおっぱい。」
そう耳元で低い声で言われた途端、身体をビクンビクン跳ねさせイッてしまった。